2022年5月奄美諸島

この連休は奄美に行ってきた。

ずっと気になっていたのだけど、世界遺産になったこともあり、ようやく重い腰を上げた格好である。

せっかく行くのだから、大島だけでなくほかの島にも上陸したいと思い、那覇からフェリーで途中降りたりしながら北上したら楽しいだろうと目論んだが、旅程を組んでみると案外厳しい。1日1便しかないうえに、多くの島では東西に港があり、日によって泊まる港が違うのだ。仕方がないので、大島以外では下船はせずに停泊時にフェリーから眺めることにする。喜界島は大島の先なので、大島の後にフェリーで行って、飛行機で帰ることにした。

GPSが切れ切れにしか取れなかったが、こんな感じである。

5/1 沖縄

那覇からのフェリーが7時に出るので、前日入りしなければならない。もったいないので午前中のフライトで那覇に入り、観光をする。

なのだが、なぜか出発する時刻に目覚ましをかけてしまい、羽田空港までタクシーを飛ばす羽目になった。8000円の出費は忘れることにする。

沖縄について、バスターミナルからまずはガンガラーの谷へ。ここは時間指定で予約が必要。

旧石器時代の港川人が住んでいたという洞窟で、入り口はカフェになっている。奥に入るとでかいガジュマルが生えていたりする。いくつかの洞窟をめぐるツアーになっていてガイドさんが説明をしてくれる。参加者は女性が多かった。

次いで、ガンガラーの谷の隣にある「おきなわワールド」というテーマパークの中にある玉泉洞

どんなもんかなと思ったが、想像以上に大きくてきれいだった。玉泉洞以外にも古民家を移築して売店にしてたり、色々見るものがあった。普段、テーマパークやツアー的なものは軽んじて行くことは少ないが、特にひとりだと行くといいと思う。

夜たべたタコスがおいしかった。国際通りはそれほど人出は多くなく、まだ観光客が戻っていない感じだった。帰ってからニュースを見ると、近場の観光地に行く人が多かったようだ。

5/2 フェリーで北上

フェリーは6時から乗船手続き開始、7時那覇出港、奄美大島の名瀬につくのが2030である。長丁場で開放部屋はまだ抵抗があるので、昼間だが2等寝台Bを予約した。2等寝台Bは8人部屋だが、徳之島までは一人利用だった。ただし部屋にいるとGPSの電波が入らないので、船内の椅子や甲板に出たり入ったりして過ごした。

最初の寄港地は沖縄本島の本部。ここはいつだったか美ら海水族館に来たことがある。瀬底島とつなぐ瀬底大橋が見える。雨はまだしとしと降っている。

沖縄本島や近くの島を左右に眺めながら2時間ぐらいで与論島に到着。ここから鹿児島なのだが、九州よりもむしろ沖縄が目と鼻の先だ。

島は平べったくて全体像がよくわからないが、飛行場が近いらしく飛行機が低空を飛んでいる。

島を離れるときにサンゴ礁が見えた。飛行機だと上から見えるが船からだと平べったい。このあたりから雲の切れ間に入って雨も弱くなってきた。

与論島の次は沖永良部島与論島よりだいぶ大きいのだけど、船からだと景色が変わらない。コンテナが鮮やかである。

次の徳之島にくると、島や集落が大きいのが船上から遠目にもはっきりわかる。5月は徳之島で闘牛をやるらしいので、一泊入れることも考えたが旅程がうまくまとまらなくて断念した。

この後、日没となったが、雲が厚くきれいな日の入りは見られず。

名瀬には予定通り暗くなってから到着。あしたはそこまで早く起きなくてもいいので、黒糖焼酎を一杯飲んだ。クセがない。

この日の名瀬のウィンドプロファイラ。前線の少し北側なので、下層に北風が入っている。上空は西風が強い。こちらはもう梅雨入り間近である。

5/3 マングローブでカヌー

起きると天気が良い。ホテルの前からバスに乗って、メインイベントのマングローブ原生林でカヌーを漕ぐ場所へ向かう。1時間弱でマングロープパークで下車。予約してたのはマングローブ茶屋というところで、1700円で1時間半ぐらい漕げる。説明を受けて、乗り場に車で送ってもらい、パドルの動かし方や注意事項を聞いて、いざ。

 

干潮が近かったのであまり奥まで入れなかったが、天気がいいのでカヌーに乗って流されているだけでも十分に楽しい。下りはよいが、引き潮なので帰りがなかなか進まず大変だった。1時間だと短いかなと思ったが、腕が疲れて十分だった。

同じバスに乗って、加計呂麻島への渡し口のある古仁屋へ向かう。フェリーで渡ってレンタル自転車で回ろうと思ったが、念のため電話したら出払っていて貸せるのがないと言う。慌ててフェリー船内でローカルバスを調べる。

加計呂麻島では、瀬相港に入り、生間港行のバスに乗った。生活用のローカルバスなので観光地を巡るわけでもないが、途中、秋徳という集落(特に何もない)で15分ぐらい停まる。ふらふら散歩して、また乗って、生間の手前の諸鈍で降りて、デイゴ並木などを見る。

案外アップダウンが大きかったので、自転車でなくてよかった。たぶん帰りのフェリーに間に合わなかっただろう。途中から貸し切り状態になったので、運転手がいろいろ話してくれた。高床式の倉庫があったり、港の防波堤ででかいアジが回遊してくるなど。

諸鈍のデイゴ並木はまだ早い。老木は咲くのが遅いらしい。寅さんの舞台にもなったというので調べてみたら最終回の48話で、すでに渥美清が病気で弱まっていたので寅さんの登場場面が少ないらしい。デイゴ興味で見てみたい。

 

フェリーで古仁屋に戻り、宿に向かう途中で、小学生低学年ぐらいの女の子連れに話しかけられる。観光客ですか?どこから来ましたか?東京はどんなところですか?大きなウナギがいるところを教えてあげます!など。和んだ。

宿はドミトリーは避けたかったのと他に適当なところがなかったので、初エアビー。広い。一人利用で罪悪感がある。大勢で旅行したら楽しいだろうなあとしんみり。

晩飯食べに出て、ACoopで買い物をしたり、夜散歩するなど。あまりすることがない。

5/4 名瀬から喜界へ

5/4、沖縄は梅雨入りしたとの報道があった。奄美はまだらしい。

予定より早く起きたので、早いバスで名瀬に戻る。鶏飯の店があくまで、名瀬測候所やイオンなどをふらつく。鶏飯は想像通りの味で、それ以上でも以下でもないような。

名瀬から日に数本のバスに乗って、国直海岸と宮古崎へ。

国直海岸にはフクギ並木がある。沖縄のものには負けるがここも雰囲気が良い。海岸もきれいで、子供らは早くも水に入っている。

宮古崎は30分ぐらい歩くと突端まで行ける。夕日がきれいだそうだが、その時間までいるとバスがない。道中から見える海の色がすごい。先の方は笹に覆われている。

この先端で海に向かって「xx先生おめでとう!」と書かれた手製の横断幕を広げて写真を撮っている人がいた。小学生ぐらいの男の子とおばあさんだろうか。明日、沖縄にいるこの先生の誕生日なので写真を撮って送るのだという。一緒に写真に入ったり、撮ってあげたり。別れ際におばちゃんが飴ちゃんをくれたが、ちり紙に包んだ紙幣と思しきものも掌に押し込んでくる。え、なんで?!と思い、いやいや受け取れませんよというも、息子と思ってあげるんです、と言われてしまう。もしかすると息子さんがご存命でないのかもとか想像してしまい、それ以上断り切れず受け取ってしまう。後で見ると5000円も包まれており、帰ってから倍にして奄美市に寄付をした。

島の人は親切だとか人がいいとかは聞いており、昨日の小学生も素朴だなと思ったが、異次元の衝撃である。こっちに慣れたら東京砂漠で暮らしていけないかもしれない。

名瀬に戻り、海鮮丼を食べて、名瀬港2015発のフェリーで喜界島へ。喜界島には2220到着である。

5/5 喜界島

最終日だが、雨がしとしと降っている。ここまでよくもってくれたというべきだろう。

まず俊寛の墓。中心部の近くにあり歩いて行ける。俊寛が流された喜界島がどこかは諸説あるそうだが、平家物語のアニメを見たばかりなので、行かないわけにはいかぬ。

そのあとは、周回バスに乗って、時計回りに回ることにした。一日チケットがバスの中で買える。3回乗れば一日チケットの方がお得である。

まずは伊実久というところで降りて、滝と東日本大震災の漂着船。

ここから歩いて、シュガーロード(サトウキビ畑の中の直線道路)を見て、島を横断する。歩いていると途中で牧場があり、声をかけられる。東京から来たとか歩いてるとかいうと、缶コーヒーを出してくれて、だったらここをこう歩いていくといい、お昼はここで食べるといいとかいろいろアドバイスしてくれる。親切である。ウクライナ戦の影響で農業にも影響が大きいとか、いろいろ聞く。

羊文学を聞きながら歩いていたのだが、ちょうど光るとき(アニメ平家物語のOP)になったところで「平家森」の遺跡の案内があわられたので、エモかった。

島を横断して、早町のサンゴ研究所。GWだが、学生?が一人いて応対してくれた。廃小学校を研究所として活用しているので、自由研究感が強い。

そこからまたバスに乗って、サンゴの石垣のある阿伝で下車。

喜界島にはハブがいないので、石垣を利用するという(石垣にハブが住み着くので本本島では使わない)。北海道はヒグマ、沖縄はハブがいるので歩くだけで緊張感がある。本州は平和である。

喜界島は蝶でも有名で、あちこちで見られた。時期や場所によってはもっとたくさん見られるようだ。阿伝から1時間ぐらい歩いて、牧場で勧められた食堂で遅い昼食をとって、バスに乗り、中心部に帰還。

ホテルでお風呂を使わせてもらい、時間をつぶして小さな喜界空港から奄美に飛び、20分で乗り換えて羽田に戻った。

島内はバス移動だったので、時間の調整が難しかった。レンタカーが普通なんだろうな。沖縄に比べたらずっと観光客が少ないのだろうけど、思いがけず素朴な人情に触れる旅行になった。