200911 庚申山荘・足尾銅山 その1

11/2,3、文化の日を絡めた飛び石連休で、栃木の庚申山に行くことにした。夏の間中、心身ともに不調だったので、山に行くのは5月の屋久島以来で随分と久しぶりだ。紅葉は終わりかけているだろうが、かじか荘という国民宿舎にいい露天風呂があるというので楽しみである。

アクセスは、北千住から東武線特急「りょうもう」で相老まで行き、そこから第三セクターわたらせ渓谷鉄道に乗り、通洞駅で下車する。わたらせ渓谷鉄道は通称「わ鐵」と呼ばれ、鉄の人達にはよく知られているらしい。

その「わ鐵」は三セクらしく本数が少ないので時間の無駄が多い。そこで、調べてみると昔社会科で習った足尾銅山がその辺にあるらしいので、とくに用もないが時間つぶしに行ってみることにした。

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初日、相老駅発1206のわたらせ渓谷鉄道で終点間藤駅を目指す。わたらせ渓谷鉄道の車内はバスっぽさ全開。

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渋い色の「わ鐵」

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車内。なんかバスっぽい。

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バスっぽいディテール。

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いや、俺が乗ったのはバスだったのか? 

車内はバスっぽいが、そんなこととは関係なく、車窓からの紅葉はきれいだった。

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びゅんびゅん飛んでいく紅葉

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渡良瀬川(だと思う)と紅葉

終点の間藤駅には1327到着。

途中から降り出した雨はかなり本降りになっていたので、自転車を借りるのはあきらめ、荷物を預けて歩いて廻ることにした。何故か、自分も同行のT氏も傘をもっていない。家を出る時には降っていなかったからだ。

この辺りの足尾銅山ゆかりの遺構の前には、説明看板が立っていて勉強になるのだが、一々テンションが高い。曰く、

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「栄枯盛衰は鉱山街の宿命」

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「昔日を偲ぶつわものどもの夢の跡」

などなど。こちらのテンションも上がろうものである。

最初は足尾銅山の社宅跡。今も倉庫として使われているとのこと。

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いちいち看板があるので、予備知識なしできても楽しめる。

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雨が本降りになってきた。

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廃墟にも秋は訪れる。

こういう社宅跡がいくつも残っている。夜に来たらかなり怖そうだ。

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「遂に無人の社宅となった。」 平成8年というからつい最近だ。

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坑夫で賑わったというが往時の面影はない。

さらに今は使われていない廃線を横切り、

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廃線の跡も歩けるみたい。

発電所の跡を眺め、

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これだけ?

坑夫が給金を突っ込んだと思しき(後述)酒類販売所の脇を通ってずんずん進むと、

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生協がたくさんあった。さすが労働者の町。 あと共産党のポスターも。

なにやら大きなものが見えてきた。

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じゃーん。

足尾精錬所だ。

平成元年の足尾線貨物廃止まで操業していたそうで、これは随分意外だった。
田中正造とか近代史上の遺構だと思っていた。

川越しに精錬所を見ながら近寄ります。

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ラピュタの鉱山みたい。
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醤油タンク?

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手前の擬洋風的な建物も気になる。

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大煙突だ!

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鉱山渓谷。

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赤錆色がいい。

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でかい! (写真が)

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振り返って。

興奮してたくさん載せてしまった。

他にも、

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無縁仏の供養塔

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古河橋

などがありました。

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今の通りの様子。一時期は宇都宮に次ぐ町だったというが。いろんな意味で寒い。

間藤駅に戻り、1535発の「わ鐵」に再び乗り、通洞駅に1540着。つぎは「足尾銅山観光」で観光するのだ。ここは15分毎にトロッコが坑道へ案内してくれるが、坑道の中は自分の足で歩く仕様になっている。

そのトロッコ待合室に坑夫の人形があった。

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「酒とバクチで紛らわし、金を使い果たす者もいた。」

そんなこと言わなくてもいいのにと思う。そう言われると、「生協酒類販売所」がやけに大きかったのが生々しい。

坑道の中にはリアルな坑夫たちの人形がたくさんあり、中には機械仕掛けで動き、小芝居をするものまであった。その小芝居がまた、「XXの奴、またバクチですっからかんになっちまったらしいぜ」とかそんな内容。酒とバクチはどうしても鉱山から切り離せないらしい。

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ロッコ。坑道の入り口までほんの5分ぐらい乗る。

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負夫。この辺は江戸時代。「早く終わらせて酒呑むっぺや!」

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車夫。奥のほうがすごいことになってる。坑道の総延長は東京-博多間ぐらいあるとのこと。

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休憩する坑夫。「飯うめえ! マジでうめえ!帰ったら麻雀な!」

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悩む坑夫。「俺いつまでここで働くのかな・・・とりあえず呑むか」

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出口付近。カッコいい。

観光を終え、通洞駅(この名前も鉱山用語らしい)に戻ると、ほどなくかじか荘の車が迎えにきてくれた。