201107北岳

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例年より早くはじまった梅雨は、明けるのも早かった。
海の日の三連休は、梅雨明け後10日ほどの天気の安定する期間に入っている。
節電のための週休変更のため、会社の休みが暦とずれているのも具合がいい。
お盆の休みにはある程度まとまった距離を歩こうと考えているので、練習がてら北岳に登ることにした。

最初、広河原にテントを張って、翌日空荷で山頂まで往復し、三日目の朝のバスで帰ることを考えていたが、空荷とはいえ10時間行動になってしまうので、初日に白根御池小屋まで上がってテントを張ることにした。翌日、下まで降りて17時のバスに間に合えばよし、厳しければ御池小屋でもう一泊してやれぐらいの考えである。

7/15(金)、朝9時に元住吉出発。横浜線経由で八王子から特急に乗り、12時甲府発のバスで広河原には14時ごろ到着した。

広河原にはずいぶん立派なビジターセンターができていた。準備を整え、14時半ごろ行動開始。つり橋を渡り、広河原山荘を過ぎて20分ぐらい平坦な道を歩くと、御池小屋と大樺沢ぞいに二俣へ向かうルートとの分岐に到着する。ここから尾根沿いの3時間の急登である。

荷物が重いので非常に苦しい。20分ごとに休憩していたような気がする。呼吸を整えるために立ち止まった回数は覚えていない。それでも16時半過ぎには急登が終わりほっとした。そこからは等高線沿いに30分、鼻歌交じりである。

白根御池小屋には17時半前に到着した。広河原から約3時間、荷物をしょってだが何とかコースタイムでこられて安堵する。明日は空荷だ。

御池小屋は雪崩で壊されてしまって最近立て直したばかりだそうで、水洗トイレのきれいな小屋である。何より水がうまくて豊富なのがうれしい。そしてテン場のこのロケーション。受付の人も親切だった。

テントを張っていたら、小屋の人が来て、怪我人を運ぶヘリが来るので、一時的にテントを動かしてほしいという。もう5分ぐらいでくるというので、そそくさと畳んでいたらまた戻ってきて、ヘリは着陸しないでロープで吊り上げるから移動はしなくてよい、風で飛ばされないようにテントを畳んで抑えておいてくれという。取り合えず横倒しにして上に座っていたら、どこからともなくバラバラいう音がしたと思ったらあっという間にヘリが来た。大げさだと思って聞いていたが高度を下げると風が笑ってしまうぐらい強かった。収容も迅速でさすがだなあ、と思った。

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吊り上げていった。

夜になって、水を飲み過ぎたか、腹の調子が悪くて何度かトイレに行った。トレイがきれいだったので、評価がぐんと上がった。この日はちょうど満月だったので、テントの中にいても外からライトで照らされてるようなぐらいに明るく感じられた。

翌朝は快晴である。

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最高のロケーション。手前の池ぎわのがマイテント。

出発は6時前。早速小屋のすぐ裏手から、草すべりというこれまた急登である。それでも昨日よりは荷物が軽いのではかどり、8時前には小太郎山分岐の稜線に出た。ここからは幸せゾーンである。

仙丈ケ岳甲斐駒ケ岳の後ろには遠く北アルプスまでよく見える。鳳凰三山八ヶ岳もだ。高山植物も盛りは過ぎているようだがまだ幾分残っている。

肩の小屋に8時半ごろ到着し、軽く行動食をとる。富士山がよく見える。ここから岩稜を登ると中央アルプスも見えるようになる。

北岳山頂には9時半に到着。気分がよい。ひとしきり写真を撮って下山。

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こういう写真はもっとまっすぐ立ったほうがいい。

肩の小屋でなっちゃんを買ったら、雪渓の雪で冷やされていた。

御池小屋に戻ってきて、ここは気分がよいのでもう一泊するか少し逡巡したが、時間も早いので東京まで帰ることにした。荷物をしょっての下りは思ったよりスピードが出ず、16時のバスに間に合うかひやひやしたが、実は16時10分発だったので余裕だった。最終は17時である。

この下りがきいたのか、土曜に帰ってきて、木曜ぐらいまで筋肉痛がひどかった。これで少しはお盆の東北遠征の練習になっただろうと思う。