201004オランダ・ベルギー その3(4/26)
二日目だが、また4時に目が覚めた。まだ体内時計の調整が済んでいないのだろう。
今日は美術館をまわるぜ。
最初は、国立美術館(RIJKS MUSEUM/ライクス・ミュージアム)だ。
ライクス・ミュージアム。工事をしている最中らしい。朝一で並んでます。
ルーブルやウィーンの美術史美術館ほど大きな美術館ではないが、フェルメールやレンブラントのいいのが揃っている。
特にフェルメールは4枚(「牛乳を注ぐ女」「恋文」「デルフトの小道」「手紙を読む女」)もあって、この中の一枚だけでも日本で企画展ができるぐらいだ。
レンブラントは「夜警」に自画像など多数。それからアーフェルカンプの冬景色や、フランス・ハルス、ヤン・ステーン、ピーテル・デ・ホーホなど、フランドル・ネーデルラント絵画の名作が目白押しだ。
朝一で入ったので空いていて、タイミングによってはフェルメール四枚部屋に自分しかいない、なんて状況も。日本人ツアーが3組ぐらい通過していったが実にもったいないと思ったが、美術館はある程度知識がないと楽しめないので、各人なりに楽しめば十分だろう。美術史マニアだけの至福。ふふふ。こういうのを見るとまたいろいろ知りたくなり、パノフスキーの『初期ネーデルラント絵画』がほしくなって値段調べたら\85Kもするのでめげた。誰か買ってください。
ミュージアムショップでは案の定と言うかなんと言うか、ポスターなどを買い込んでしまった。まだひとつめの美術館だが、やむなしとしよう。
次ぎは、ゴッホ美術館。これはライクス・ミュージアムのすぐ隣に立っている。本館はリートフェルト、新館は黒川紀章だそうな。
いままでゴッホにはあまり感じるところがなかったのだけど、普通の精神状態で描ける絵じゃないな、というのがひしひしと感じられて、ちょっと怖かった。特に最晩年の木の根っこを描いたのは、視界10cm2ぐらいになりながら救いを探しているような、追い詰められた印象をうけた。自分の一番具合の悪かった時分のことが思い出されてぐっときた。そして、こんな絵を描いた人はもう助からないな、と感じたのはその後ゴッホが自殺したのを知っているからなのだろうが、まあ、そんなことを思ったりした。
美術館を二つまわってまだまだ日が高い。ハーレムのフランス・ハルス美術館に行こうかと思ったが月曜日は休みだったので、ザーンセ・スカンスというところに風車を見にいくことにした。ここはアムステルダムから電車で数駅いったところで、18世紀に造られた風車が数軒保存されている。
電車をおりて、10分ぐらい歩くと大きな橋の袂の交差点のところにいきなり一基建っている。
川を渡ると風車の保存地区に入る。風車だけじゃなくて、ちょっとしたカフェやみやげ物屋に改装された家屋なんかも建っている。そんなに規模は大きくない。
地図の下のほうのの赤いのが交差点の風車。橋を渡るとずらっと並ぶ。
風車は全部稼動しているのではなく、材木加工、染料砕きなどの4機を風の強い時期だけ動かしているようだ。
お昼寝中の人がいますが、この材木を風力でスライスするらしい。
こんな感じに並んでいる。平らだし、北海からの風をバンバン受けるんでしょう。
石臼がゴウンゴウンまわっているところ。染料を挽くのだそうな。相当早いです。
なんだかのどかでいいところだった。
戻ってきて、夜はせっかくなのでコンセルトヘボウでクラシックを聞いてみることにする。お高いイメージがあったが、安い席は20ユーロぐらいで聞けるのだ。演目は、プロコフィエフ、モーツアルト、ビゼーで計4つ。途中少々寝たことを告白しておこう。音楽に関しては、ツアーで美術館まわる人たちとレベルは変わりません(笑)。