201509インド その2(トレッキング)

■9/19
いよいよトレッキングであるが、朝から雨が降っている。
朝食を食べて天気待ちしてたら、ちょっと弱くなったような気がしたので、9時前に出発する。

トレッキングルートは、町の上流側からコンクリの石段を登っていく。20分ぐらい歩くとゲートがあり、そこで国立公園の入場料を払う。3日で600ルピーだが、昨日発行なので2日分である。延長料金は1日250ルピーで帰ってきたときに払う。

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ゲート。

ゲートからはなだらかな登りで、ガンジス川に沿った崖沿いにずっと道がついている。これぐらいの勾配なら標高が高くても老齢の巡礼者も歩けるだろう。
しばらく歩くと雨は小降りになって、ほとんど止んでくれた。

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こんな感じで崖沿いになだらかな道がついている。たまに荷運びのロバが通る。

途中一箇所ある休憩ポイントのチルバサには12時半に到着。以前はここでも宿泊できたらしいが、今は茶屋のみである。チャイを頼んで行動食を食べる。

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チルバサ。おんぼろいチャイ屋だけある。

更にもくもくと歩いていくと、ガスが濃くなってきた。そろそろ万年雪をかぶった頂が見えてくるはずだが何も見えない。足元の草紅葉は赤く染まってきれいである。谷をつめて登っていく感じがランタンに似ているが勾配はずっと緩やかで楽だ。

カッパドキアのような地形で落石が怖いところを抜けたり、ブルーシープの親子を見たりして歩いていくと、15時半にボジバサに到着した。小雨で景色はいまいちだったが、砂埃はなかったのでそれは良かったかもしれない。気温も予想してたよりは高かった。

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カッパドキアみたい。崩落が怖い。

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ブルーシープの親子

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ボジバサ到着。

ボジバサは富士山と同じぐらいの標高で、これより上流には泊まれるところはない(タポバンのサドゥーのところは除く)。ボジバサにはいくつか簡易宿泊施設があるが、GMVN(ガルワール開発公社)の宿に投宿。ドミトリーで320ルピーである。食堂もあって、ミネラルウォーターや簡単な行動食も売っていた。ただ、水は飲める。

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GMVNのドミ。

さすがに高山病の症状が少し出てきて頭痛がしたが、高所順応のためにお茶を飲んで散歩をした。いくつかのアシュラムやテントがあり、元気にバレーボールをしている人達もいた。ガイドやポーターだろうか。

夜はネズミが走っていた。

■9/20
今日はハイライト。氷河からガンジス川が流れ出すポイント(ゴームク)と、いけるものならさらに氷河のサイドモレーンを登ったところにあるタポバンという場所を目指す。

朝食は6時半から出してくれる。計画ではガイドなしで行けるところまで行ってみようと考えていたが、宿の人とどこまで行くんだとか話していたら、危ないからガイドを連れてけというので、急遽、今日だけガイドを雇うことにした。1,500ルピー。

7時半出発。ゴームクまでは引き続きなだらかで、あっさり到着した。標高は4,000m。氷河は土砂をかぶっていて砂っぽいが断面は氷河らしい青い氷をみせており、はやり感動的である。ただし、そこから流れ出るガンジス川の水はきれいではなく、ああ、この河は最初からきたないんだなあ、と妙に感心した。

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ゴームクへは一時間ちょいでついてしまう。

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氷河アップ

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こんな感じで流れ出ている。最初から濁っているガンジスの始まり。

ゴームクから氷河を(下流から見て)左に回りこんで、氷河をわたる。土砂をかぶっているので地面を歩くのとほとんど変わらないが、一部にクレバスが裂け目を見せている。氷河の対岸に渡ると、サイドモレーンに一箇所切れ込みがあり、そこから小川が流れている。この小川に沿って300mほど急登をごりごり登るとタポバンに到着である。(この急登だけガイドに荷物を持ってもらった)。

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クレバス。

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SKY GANGAだって。

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ここだけ急登。

タポバンはまったくの平坦で、小川が流れ、草紅葉が赤く萌えている幸せゾーンである。今日は天気が悪くて姿を見せないが、本来ならば正面に聖峰シブリンを間近にみられる修行の地である。幾人かここで修行をしているサドゥーが住んでいて、ガイドがその一人に連れて行ってくれた。到着は11時頃で、3時間半でボジバサからついたことになる。結構いいペース。ここのサドゥーは7年間もしゃべらないという修行をしているそうだ。チャイを入れてくれたが、喜捨は受け取らなかった。標高4,300mが今回の最高到達地点で、あと20kmも行けば(行けないけど)中国との国境である。

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タポバン到着!

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サドゥー。

ここから氷河の対岸にそびえるもう一つの聖峰バギラティはよく見えたのだが、シブリンが雲の中だったので散歩や昼寝をしながら天気待ちをする。そうこうするうちにSさんが登ってきた。彼女はタポバンに4泊するらしい。瞑想や沐浴をするだろうとのこと。さすがヨガの修行にきているだけのことはある。

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氷河をはさんで対岸を望む。

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バギラティ

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最高到達地点

僕らは1時頃まで粘ったが、シブリンにかかるガスが晴れないので諦めて下山した。帰路、ゴームクの近くで落石がありびびる。そういえば氷河が崩れる大きな音も聞こえた。後で調べたら、近年は年間30mも氷河が後退しているそうだ。これからもどんどん氷河は少なくなってしまうだろう。

ボジバサには16時に帰還。さすがに疲れた。しかし、正直なところタポバンまでいけるとは思ってなかったので嬉しい。ガイドがいなくても何とかなったかもしれないが、氷河のルートファインディングでもっと時間を食っただろうし、サドゥーの紹介もなかったはずなので、結果雇ってよかったと思った。最小限の日数で済んだし。

■9/21
下山日なのに朝から翌晴れていて悔しい。ボジバサからシブリンの特徴的な頭とバギラティが見える。少し登り返して写真を撮る。

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左バギラティ、右シブリン。昨日これだけ晴れていれば。。。

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Manda峰と思われる。

平坦な下りは早い。昼ごろにはボジバサについた。コーラで乾杯。

ウッタルカーシまで戻るのに、例によって乗り合いジープがなかなか集まらない。15時頃まで待たされてようやく出発。下りも4時間ぐらいでウッタルカーシに到着した。

宿は別の600ルピーのところにした。建物のつくりがしっかりしていて部屋が広いが、やっぱり水シャワーに蛇口からお湯だった。だいたいこんなものらしい。