202007出羽三山

7月のオリンピックが行われるはずだった連休につなげて夏休みをとった。

杜王町の両親のところに顔を出してから軽く東北の山にでも行こうかしらんと考えていたら、また新型コロナの感染者数が増えてきて、東京の新規感染者が日に200人を超えるような状況になってしまった。両親もそれなりの年だし、まあ来なくていいよ、という感じになったので、おまけで考えていた出羽三山にだけ行くことにした。

 

出羽三山というのは、羽黒山、月山、湯殿山の3つで、羽黒山湯殿山はバスで行かれる。羽黒山はちょっと離れているので先に行って、月山に登って湯殿山に下りてくる算段である。

 

7/19に出発。東京7時発のはやぶさに乗ると仙台に8時半頃に着く。広瀬通のバス乗り場に行くと、東京方面行きの高速バスは大幅な減便であった。そこから鶴岡行きのバスに乗り、鶴岡から月山八合目行きに乗り換えて、途中の羽黒山の宿坊街で降りる。13時半には到着してしまった。

宿は、宿坊「大進坊」。記帳して部屋に案内してもらうが、十八畳間に一人である。他に客の姿は見えない。

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大進坊

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広い。

荷物を置いて、すぐ羽黒山に向かう。宿の人の話では、羽黒山の石段に、昔の絵が33個彫ってあり、10個見つけられると幸せになるという話だ。見つかるか知らん。

羽黒山随身門をくぐるとすぐに杉並木の石畳がはじまる。橋を渡ったり滝を見たりしながらしばらく進む。石畳が曲がったその左手にふっと五重塔が出現した。

 

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国宝五重塔

あるのは分かってはいたものの、不意をつかれたというか驚いてしまった。

森の中に忽然と現れる五重塔。そのロケーションも含めて国宝なんだろうな。

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人も少ないので、端整な五重塔を30分ぐらい眺めていたら、屋根の反りがイカに見えてきたので先に進む。

しばらく進むと急な石段になり、途中の茶屋でお茶を頂く。雲は多いが庄内平野だろうか、眼前に下界が広がる。

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もう少し登ると南谷との分岐があり、せっかくなので人気のない南谷経由で山頂の出羽三山神社羽黒山、月山、湯殿山の三神を合祀している)に到着。上の方は車で直接アクセスできるので味気ない。また石段を下って、降りる。

石段に彫ってある絵は、はっきりわかったのは5つぐらいであった。

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例えばこんなの。ひょうたん。

宿坊に帰って話を聞くと、もう一組泊まっているという。百人以上泊まれる宿に二組か。コロナ禍恐るべし。

夕食は山菜中心の精進料理で、胡麻豆腐が絶品。だだちゃ豆にはちょっと早かったらしいが、地元の料理がたくさん並んだ。神道ということで、野菜だけではなく鮭も出た。

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お盆に並びきらない晩御飯

翌朝、7/20。ご祈禱に参加してからバスに間に合うように早めに朝食を頂いた。トチ餅が面白かった。登拝のための力餅だという。良い宿でした。リピートしたい。

7時半に、行きに乗ったのと同じ月山八合目行きのバスに今度は終点まで乗る。工事で県道を迂回するので遅れるかもしれないということで焦ったが、時間通りに付いた。

焦ったのは、湯殿山に下りる時間の制約があるからだ。普段の夏は湯殿山までバスが入るのが、今年は運行せず、代わりに少し安め(といいっても一人なのできつい)のハイヤーに乗らなくてはならない。それが湯殿山側の有料道路が閉まるまでしか待てないということで、1630までには下山しなければならないのだ。

すぐに支度をして歩き始めるが、八合目なので登山道はいきなりお花畑である。東北は標高が低くても北アルプスあたりの2000mぐらいの感じになるので、そういうところが良い。大丈夫だと思うが時間が気になるので、写真を撮りながらも一生懸命歩く。変な飛行機雲が飛んでたり、地蔵があったり、見てるとなかなか進まない。雪渓というか残雪の上を歩いたりして気持ちが良い。なんだかんだで12時前には月山山頂神社に到着。急いだ割には久しぶりだったからか、コースタイムと大差がない。

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登り始め

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飛行機雲の影が上に映ってるように見えるが、目の錯覚らしい。

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地蔵。山伏っぽひともいた。

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残雪きもちよい。

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月山神社

月山神社は、戦前は東北唯一の官幣大社だった由緒ある神社である。来づらいけど。

御祓いをしてもらって、コロナ終息を祈願してお参り。

よい景色を見ながらお昼を食べて、湯殿山への下りである。以前、8合目からピストンで月山に登ったことはあったので、ここからははじめてである。

下り始めると右側に大きな残雪があり、そちらに下る人が多い。スキー場のリフトで上がってこられるらしい。

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残雪。左に下る人が多い。僕は直進。下るなら軽アイゼンがあった方が歩きやすいかも。

スキー場に下る人と別れるとめっきり人が減る。湯殿山コースにはハシゴ5連続があったりして大変なのだ。今年は交通的にも不便だし。花や沢、残雪を見ながら静かな山歩き。

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途中、装束場まで降りてくると湯殿山が見える。登山道は山頂は通らず、ここからハシゴのくだりになる。ハシゴは織り込み済みだったが、その後、雪解け水で登山道が川になっており、滑りそうでやたら時間をとられた。下りてきたら足もがくがくになっていた。久しぶりだからなあ。

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装束場。特に何もない。正面、湯殿山

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こういうのが5本。

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足元が川に。

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湯殿山本宮を抜けて、下りてきた。

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ハイヤーが入る駐車場までようやく。

湯殿山の本宮のあたりは写真禁止だったり、聞かず、語らず湯殿山、ということらしいです。

後半、ちょっと焦りましたが、15時半過ぎには無事下山、ハイヤーで駅まで帰りました。そのまま東京にも帰れそうだったけど、読めなかったこともあり、駅前のビジネスホテルに泊まって、もう少しだけ観光をした。ホテルはスーパーホテルという雑な名前だったが、新しくて設備もちゃんとしてて朝食もついてて良かった。

翌日、ここからは蛇足だけど、くらげで有名になった加茂水族館に行って、帰りに荘内神社のあたりで下りて少し歩く。滞在時間が少なかったけど、こじんまりしててちょうど良かった。

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かもすいのくらげ

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荘内神社

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風流!

帰りは、特急いなばに乗って日本海を眺めながら、新潟経由で帰りました。

鶴岡は駅前が栄えてなくて、あまり美味しいものは食べられなかったのが残念。とはいえ、宿坊のご飯が美味しかったから十分か。