201308知床 その4(8/29)
■8/29(木) 6日目
羅臼岳登山の日である。これでも今回の旅行で一番天気の良い日をぶつけている。展望はどうだろうか。
4時、まだ薄暗いうちに起き、5時に木下小屋を出発する。出発時に登山届けを見ると、既に20人ぐらいの団体が入ったようだ。自分と前後して個人も数人入っている。シーズンも終わりつつあり、木下小屋泊も一人だけだったが、一人きりでヒグマに遭遇と言うことはなさそうである。
木下小屋から登り始めるとしばらく急な勾配が続くが、すぐにオホーツク海展望地点二到着する。この辺からはオホーツク海や知西別岳が見えた。もうしばらく行くと五湖の高架木道も見えたが、肝心の羅臼岳のピークは雲の中である。
右のとがってるのが知西別岳だと思う。
羅臼岳は雲の中。
登山道は、登りと平坦な勾配を何度か繰り返し、大沢の入り口に到着する。ここから先、風が急に強くなる。オホーツク海から吹き上げてくるのだ。大沢の上の方には雪渓が小さく残っていたが、夏を過ぎた今時分は、上を歩くことなく迂回できる。雪渓を過ぎると程なく羅臼平だが、風が強いので羅臼平で引き返してきたという人とすれ違う。羅臼平の手前でさすがにソフトシェルだけだと冷えてきたので、ライトダウンとカッパも着込む。ちょっとした冬山レベルの装備なのでさすがに寒くないが、水滴混じりの風が下から吹いてきてメガネがすぐ曇る。曇天で撮るものとてないカメラはとうの昔にザックにしまっている。
羅臼平からはハイマツ帯になる。姿勢を低くしてると風があたらないが、しかし、すぐに手を使って登るような最後の岩稜帯に変わる。頂上は展望ゼロだが、天気待ちする余裕もなく、おにぎりを食べたらすぐ下山にとりかかる。風が強いのでちょっと怖い。
羅臼平のフードロッカー。テントの人はヒグマがこないように食料をここに格納する。
天気が良いと国後島も見えるそうです。
また大沢の入り口ぐらいまで下ってくると、雲から抜けるのだろう、見晴らしがよくなってきて悔しいが仕方がない。オホーツク海を眺めながらさくさく下る。木下小屋には1時過ぎに到着。8時間強なので自分としてはかなりいいペースだった。ヒグマに出くわしたくないのと、天気が悪かったので足が急いたのだろう。
岩尾別のバス停まではまた歩いて一時間程かかるので、最終のバスでウトロに戻るつもりだったが、木下小屋で温泉に入っても1549に乗れそうだ。温泉でざっと汗を流して、預けておいた荷物をザックにつめて岩尾別へ歩き出す。しばらくしたら、後ろから走ってきたバイクに「さっきこの道でクマがでたからきをつけていってくださいね」といわれる。山で会わずにそうきたかー、と思う。ザックからストックと鈴をまた取り出して、自然早歩きになる。バス停付近から羅臼岳山頂をみると時折ガスが晴れている。降られなかっただけ良しとしよう。
1526に五湖行きのバスが来た。どうせこれが五湖で折り返してウトロ行きになるので、乗ってしまい、五湖でコケモモソフトを食べて登ってきた羅臼岳の写真を撮って、同じバスでウトロに折り返した。
泊まりはまた酋長の家。夕食のメニューが前回と変わっている。連泊するとどんどん変わるそうである。親切。
今日は、知床岬に行くクルーズは全便欠航だったようだ。明日はもっと崩れて雨の予報なので、クルーズは最終日の31に賭けて、網走に行くことにする。